2005年2月28日(月)16:43

フランス議会はEU憲法国民投票に道を開く

ヴェルサイユ(AP)

フランス議会は圧倒的多数で5月もしくは6月に実施されるEU憲法の国民投票への道を開いた。月曜日ヴェルサイユで開かれた国民議会と上院の両院総会において、およそ900人の議員中730人が、欧州憲法との整合をはかるためのフランス憲法改正を承認した。

これを受けてジャック・シラク大統領が速やかに国民投票の期日を発表するものと予測されている。パリの大統領府の伝えるところによれば、国民投票は組織運営上の理由から5月1日から6月19日の間に実施される見込みという。このところEU憲法支持派からは、反対派のこれ以上の増大を防ぐため、早い時期の実施を求める声が高まっている。

デンマークでは9月27日に国民投票を実施すると政府が発表した。スペインはおよそ一週間前に国民投票を行い、EU憲法を承認している。

月曜日に発表されたLouis-Harrisの世論調査によれば、フランス国民の60パーセントはEU憲法に賛成、40パーセントは反対と出ている。この調査は、すでに態度を決めており、投票に行くと答えた人のみを対象としている。

両院総会では66名の議員がフランス憲法改正に反対した。とりわけ共産党や与党の国民運動連合(UMP)の保守右派から反対者が出た。棄権は96名で、欧州統合会議派の社会党の議員が中心であった。UMPやフランス民主連合(UDF)、社会党(PS)は賛成票を投じた。1958年の制定から18回目となる憲法改正には5分の3の賛成が必要であった。

「EUは21世紀の課題に対する正しい答えである」とジャンピエール・ラファラン首相はEU憲法に支持を求めた。「EUは右でもなければ左でもない。EUは私たちの未来であり、私たちの運命である」と右派自由系のラファラン首相は訴えた。

シラク大統領の強い要請に応じて、議会はフランス憲法に、今後欧州連合への新規加盟の是非はその都度フランス国民に国民投票で問わねばならないという条項も盛り込んだ。これにより大統領は、フランス国内で大きな議論を呼んでいるトルコの加盟問題がEU憲法国民投票に影響するのを防ぐ意向である。

原題:Franzoesisches Parlament macht Weg fuer EU-Verfassungsreferendum frei




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